遺産分割に関して、皆さまのお悩み、紛争のポイントや流れなどをまとめました。遺産分割の話がまとまらない限りはどうすることもできません。相続人の間で不安不満を感じたら、早めの専門家へのご相談をおすすめします。

遺産分割で多く寄せられるお悩み

遺産分割でもめてしまった場合、又は、もめそうな場合、私達、弁護士の事務所に持ち込まれるご相談の多くは、以下のような場合です。

  • 「思うように進まない」
  • 「兄弟が、無理な要求を突きつけてきた」
  • 「兄の税理士から、遺産分割協議書に押印を求められて、納得ができない」
  • 「母と弟が結託して、遺産分割から、自分を排除しようとしている」
  • 「納得できない内容の遺言書が出てきた」

遺産分割では、以下のようなケースで特にもめごとになりやすいと言えます。

  • 相続人それぞれが、勝手にこれは自分が相続できると考えている
  • 自宅、不動産、株式、現預金など、相続財産の内容が違うので、不公平に感じてしまう
  • そもそも、相続人に揉めやすい人間関係がある

しかし、このような場合、本人同士が感情的に主張をぶつけ合ってしまうと、泥沼の争いになることが多々あります。泥沼の争いになって一番困ることは、争いの長期化です。

相続の基本」でも述べましたが、遺産分割がまとまらない限りは、相続財産は共有の状態のままになってしまい、どうすることもできません。

原則は法律(法定相続分)で定められていますが、実務上は原則通りでないことも多々あり、これらは経験の蓄積がないと理解しづらいところです。

相続人間で意見が違った場合や不穏な空気を感じられた場合、不安や不満を感じられた場合は、一旦、冷静になって、弁護士にご相談頂き、専門家から客観的なアドバイスを受け、早期解決を図られることをお勧めします。

遺産分割の家庭裁判所での手続きについて

遺産分割の話し合いが相続人間でまとまらない場合には、遺産分割の話し合いのための調停を家庭裁判所に申立します。家庭裁判所では、1ヶ月から2ヶ月に1回位の期間で調停が行われます。

事案にもよりますが、調停を5回くらいしても話がまとまる可能性が全くないような場合には、審判手続きになります。審判は裁判所と同じ手続きで強制的に裁判所が判断をします。審判手続きでは、皆様の意向を元にして、裁判所が原則として法定相続分通りの割合で遺産を分けます(ただし、特別受益の問題や寄与分の問題がある場合はその点が考慮されることがあります)。

審判には強制力がありますので、一部の相続人に不満があっても、審判の内容に基づいて遺産を分けることができるようになります。審判に不服がある場合には、内容が変更される可能性は高くはありませんが、即時抗告という不服申立を高等裁判所に対して行う方法もあります。


遺産分割の問題を動画で解説

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